チャレンジ

 

これは、我が家の家宝ともいえるすりこぎとすり鉢です。祖母から母、そして私に。明治、大正、昭和を経て平成へ。気が付けば3代の主婦に引き継がれて100年余りが経っていました。さすがに山椒のすりこぎはあちこちポロポロと欠けてきて使えなくなってきましたが、すり鉢はまだ現役です。そんな年月が経ったとは思えません。今でもゴマをあたり、白和えを作り、合わせみそを作り、山芋や自然薯をあたり、おはぎの白米をついていた母の手伝いですり鉢を抑えながら母と話していた時のことが昨日のことのように思い出されます。


 母から子に引き継がれる料理は、そういった手伝いの中で引き継がれていきます。決して構えて教えられたものではありません。日々の母の作る食事の中でその味は引き継がれるものです。だから家庭料理だけは料理本にもできず、料理教室でも教えることはできません。母から子に引き継がれる決まり事、約束事だからです。今でも料理をしている時、「もうちょっと炒めなさい」というように母の声が聞こえてきます。私は子供の頃のまま「はーい」と言って母の声に従います。

 今、日本から大切なものが消えようとしているように思えます。日本の家庭でずっと引き継がれてきた大事な「食」が失われようとしているように思います。
 日本の家庭がずっと守ってきた本来の家庭料理、洒落た日本料理ではなく、常に家庭にあった常備菜や副食類、そういった母が家族のために季節を彩り、旬を楽しみ、時節の行事食として、おいしく食べ飽きないように、日々の健康を守るために作っていた家族のための「食」をもう一度見直して欲しいと私達は考えています。折に触れてそういった提案を商品化していきたい、それが私達のチャレンジです。